【国】作業療法士

難易度★★★☆☆
(普通)
おススメ度★★★☆☆
受験資格次のいずれかに該当する者。
・文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した作業療法士養成施設にて3年以上、カリキュラムを修了した者。
・外国の作業療法士養成施設を卒業し、かつ外国で作業療法士の免許に相当する免許を持っている場合、厚生労働大臣が日本の養成施設卒業者と同等の知識・技術を持つと認定した者。
勉強時間大学等での勉強時間による。
目次

概要

作業療法士試験は、人の「できること」を支えていくための大切な一歩となる国家試験です。病気やけが、あるいは心のつまずきによって、これまで当たり前だった暮らしの動作や楽しみが難しくなってしまう方々。その毎日を取り戻すお手伝いをするのが、作業療法士の役割です。

試験では、医学やリハビリに関する基礎知識はもちろん、人の生活や心の面に寄り添う力を問われます。難しく聞こえるかもしれませんが、その根底にあるのは「人の日常を共に支えたい」という思い。勉強を重ねる中で、人の身体の仕組みや回復の流れを学び、やがて「その人らしい暮らし」を取り戻すための専門的な知識と視点を身につけていきます。

作業療法士試験は、未来の患者さんや利用者さんとつながるための“入り口”。努力を積み重ねて合格した先には、人の物語に寄り添い、笑顔や希望を紡ぐやりがいのある仕事が待っています。

出題内容と合格基準

試験は、「一般問題」と「実地問題」に分かれています。

試験科目
・一般問題(解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要、人間発達学を含む、作業療法)

・実地問題(運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要、作業療法)

試験形式・時間
・選択式(主に5肢択一、一部5肢択二形式)
・午前・午後それぞれ160分
・合計200問(午前100問、午後100問)

合格基準
総得点の約6割以上

試験日

2月中旬

試験地

北海道、宮城、東京、愛知、大阪、香川、福岡、沖縄

受験料

10,100円

合格率

令和7年 : 85.8%
令和6年 : 84.4%
令和5年 : 83.8%

取得のメリット

・安定した就職環境と多様な就職先
作業療法士は国家資格であり、病院や診療所、身体障がい者施設、児童福祉施設など多くの就職先があるため、安定して活躍できる職業です。資格を持っていることで、結婚や出産といったライフイベントがあっても復職しやすい環境が整っています。また、作業療法士の就職率はほぼ100%と非常に高いです。

・専門性の習得とキャリアアップ
作業療法士として働く上で、専門知識やスキルを深めることができ、新しい知識を磨くことで活躍の幅が広がります。認定作業療法士などの上位資格を取得すれば、スキルアップやキャリアアップにつながり、収入アップや手当の支給が期待できる場合もあります。資格取得は職場内での信頼性向上や後輩の指導にも役立ちます。

・患者の身体面・精神面の両方から支援できるやりがい
作業療法士は身体的な機能回復だけでなく、心のケアにも寄与し、その人の生活や人生背景に寄り添って支援を行います。患者が自信を取り戻し自分らしく生きる力を支えることができるため、大きなやりがいや満足感が得られます。

・多様な人と協力して働ける
医療スタッフだけでなく、患者の家族や地域の支援施設と連携して支援を行うため、多様な人々と関わりながら働けることが魅力です。

・自分の趣味や得意分野を活かせる
作業療法士の支援においては、音楽、絵画、スポーツなど個人の趣味や特技がリハビリのアイデアに活かせることが多く、自分らしさを仕事に反映させることができます。

ステップアップ

・認定作業療法士の取得
認定作業療法士は専門性の向上を目指す中間的な資格です。取得には作業療法士として5年以上の臨床経験や日本作業療法士協会の会員歴が必要で、基礎研修や共通研修、選択研修の受講、症例報告など一定の条件を満たす必要があります。この資格取得で専門知識が深まり、職場での手当や収入アップにつながる場合もあります。また、症例指導者としての役割も担いやすくなります。

・専門作業療法士の取得
さらに高度な専門性を示す資格で、特定の分野で深い知識と技術力を持つ証明となります。専門作業療法士になるとキャリアアップに直結し、教育や研究、開発能力も求められるため、その能力が評価されます。直接的な給与アップは少ない場合もありますが、専門性の向上と作業療法士としての価値向上につながります。

・継続教育とスキルアップ
資格取得後も最新の知識や技術を継続的に学ぶことが重要です。セミナーやワークショップへの参加、オンライン講座の受講などで最新の治療法や評価技術を習得し、専門性を維持・向上させることがキャリアアップに不可欠です。

・管理職や教育者へのキャリア
臨床経験を積んだ後は、管理職やチームリーダー、後輩教育や養成校の教員として活躍する道もあります。特に教員になるには実務経験5年以上が必要です。

・他分野への転職や新しい働き方
福祉分野の介護支援事業所や地域包括支援センター、さらにはフリーランスでのリハビリテーション提供など、作業療法士の専門性を活かしつつ別分野や多様な働き方を模索するケースも増えています。

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