【国】臨床工学技士

難易度★★★☆☆
(普通)
おススメ度★★★☆☆
受験資格次のいずれかを満たす者。
・文部科学大臣指定の大学(4年制)や短期大学(3年制)、または厚生労働大臣指定の臨床工学技士養成所(3〜4年制専門学校)で、3年以上臨床工学技士として必要な知識・技能を修得すること。
・大学や専門学校、養成所で2年以上修業し、厚生労働大臣指定科目を修了した後、さらに養成所で1年以上の臨床工学技士としての知識・技能を修得すること。
・大学や養成所で1年以上修業し指定科目を修めた後、2年以上養成所での実務を経験して知識・技能を修得すること。
・大学(短大除く)で厚生労働大臣指定の科目を修めて卒業すること。
外国の生命維持管理装置操作や保守点検に関する学校や資格を有し、厚生労働大臣から同等の知識・技能があると認定された者。
勉強時間大学等での勉強時間による。
目次

概要

臨床工学技士は、病院の「医療機器の専門サポーター」といえる存在です。人工呼吸器や透析装置、心臓の手術に使われる機械など、命をつなぐ大切な医療機器を安全に動かし、患者さんを守る役割を担っています。

お医者さんや看護師さんと一緒にチーム医療を支えながら、「機械のことなら任せて!」と頼られる臨床工学技士。患者さんが安心して治療を受けられるように、常に機械の状態をチェックし、必要に応じて調整や管理を行います。

人の命に直結する責任の重い仕事ですが、その分やりがいも大きい職業です。医療の現場で働きたいけれど、お医者さんや看護師さんとは少し違う形でサポートしたい、機械が得意で人の役に立ちたい――そんな人にぴったりの資格といえます。

出題内容と合格基準

【学科試験】
試験内容は、大きく以下の9科目に分かれています。
試験は午前90問、午後90問の合計180問で、すべてマークシート形式です。
合格ラインは正答率約60%です。試験時間は午前・午後ともに2時間30分ずつです。

・医学概論(公衆衛生学、人の構造および機能、病理学概論、関係法規含む)
・臨床医学総論(臨床生理学、臨床生化学、臨床免疫学、臨床薬理学)
・医用電気電子工学(情報処理工学、電気回路の基本、増幅器、センサなど)
・医用機械工学(機械要素、基礎力学、流体力学など)
・生体物性材料工学(生体の電気的・力学的特性や材料について)
・生体機能代行装置学(人工透析や人工心肺、人工呼吸器など臨床機器)
・医用治療機器学(ペースメーカー、レーザ治療器など)
・生体計測装置学(心電計、血圧計、筋電計、脳波形など)
・医用機器安全管理学(医療機器事故防止の法令や安全管理)

試験日

3月上旬

試験地

北海道、東京、大阪、福岡

受験料

30,800円

合格率

令和7年 : 78.9%
令和6年 : 79.5%
令和5年 : 85.4%

取得のメリット

・最先端の医療技術に触れられる
臨床工学技士は医療機器の管理や操作を行うため、最新の医療技術や機器を身近で体験できます。AIや3D技術など最先端の機器を扱うことができ、常に新しい技術を学び続ける環境にあります。

・医療チームの一員として患者の命を支える
医師や看護師と連携し、生命維持装置の管理や手術中の機器操作を通じて患者の治療に直接貢献できます。医療機器の操作で命を救えるやりがいが感じられ、チーム医療の重要な役割を担います。

・幅広い就職先と将来性
病院だけでなく医療機器メーカーなど多様な職場で活躍でき、業務範囲も拡大中です。専門的な知識が求められるため、将来的には研究者や教育者としてもキャリアアップが望めます。

・資格取得によるキャリアの差別化
専門学校や大学で学び国家資格を得ることで、大卒者向けの求人にも応募可能になり、就職活動でのアピールポイントになります。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境もメリットです。

・充実した職場環境や待遇
病院勤務の場合、時間外手当や当直手当などの手当が充実していることが多く、昇給や退職金など福利厚生も整っているケースが多い点もメリットです。

ステップアップ

・専門認定資格の取得
臨床工学技士として2年以上の実務経験を積むことで、より専門的な認定資格(例:透析技術認定士、血液浄化専門臨床工学技士、体外循環技術認定士、呼吸療法認定士など)を取得可能です。これにより特定分野の技術力が高まり、専門家としての価値が向上します。

・キャリアパスの多様化
臨床スペシャリスト(集中治療や心臓手術など特定分野の専門家)
管理職(臨床工学部門のマネジメントやスタッフ育成)
医療機器メーカー(製品開発、営業、臨床サポートなど)
教育者(養成校の教員として後進育成)
研究者(大学院進学や医工連携の研究)
独立開業(医療機器コンサルタントや保守サービス会社設立)
海外展開(国際協力や海外医療機器企業への関与)
経験と資格に応じて多様な道が開け、自身の興味や能力に合わせて柔軟なキャリア形成ができます。

・継続的な学習とスキルアップ
医療機器の技術は日々進化しており、研修やセミナー参加で最新技術を学ぶことが求められます。スキルの更新はキャリアアップの鍵で、医療スタッフとのコミュニケーション能力向上も重要です。

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