| 難易度 | ★★★★☆ (やや難しい) |
| おススメ度 | ★★★☆☆ |
| 受験資格 | 誰でも受験可能 |
| 勉強時間 | 約150時間 |
概要
ITサービスマネージャ試験は、企業や組織で提供されるITサービスを「安定して・安心して・長く使えるように守っていく」ための知識やスキルを問う国家試験です。たとえばシステムがトラブルを起こしたときに素早く対応したり、サービスの改善計画を立てたりする「ITサービスの番人」としての力が求められます。
規模の大きなシステムを支えるのはもちろんですが、日々のちょっとした工夫や改善の積み重ねも大切な仕事です。そのため、試験勉強を通じて「どうすれば利用者がもっと安心して使えるか」「どうしたらサービスがより便利になるか」といった視点を養うことができます。
ITサービスマネージャ試験は、システムエンジニアや運用担当者としてステップアップを考えている方にぴったり。ITサービス全体を見渡せる力を身につけたい方に、自信を持っておすすめできる資格です。
出題内容と合格基準
試験は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つの試験区分で構成されています。各区分ごとに60点(満点100点中)以上が合格基準です。
【午前Ⅰ】(四肢択一、30問、50分)
・テクノロジ系(コンピュータ構成要素・システム構成要素・ネットワーク・セキュリティ等)
・マネジメント系
・ストラテジ系(企業活動・経営戦略なども範囲)
【午前Ⅱ】(四肢択一、25問、40分)
・コンピュータ構成要素(プロセッサ、メモリ、入出力デバイスなど)
・システム構成要素(システムの構成、評価指標)
・データベース設計・操作・トランザクション処理
・ネットワーク方式・通信プロトコル・管理
・情報セキュリティ(管理、対策、実装技術)
・システム開発技術(要件定義、方式設計、詳細設計、テスト、導入、保守など)
・ソフトウェア開発管理技術(プロセス手法、知的財産管理、構成管理、変更管理)
・システム戦略、システム企画
【午後Ⅰ】(記述式、4題中2題を選択、90分)
・サービスマネジメントに関する知識のうち、運用・計画・評価・改善・管理に関する問題が出題されます。ケーススタディ形式でITILの管理プロセスの適用などが問われます。
【午後Ⅱ】(記述式、3題中1題を選択、120分)
・自分の業務経験に基づき、トラブルの解決案や改善案を論述する問題です。
試験日
筆記試験。4月の特定の日曜日に実施。
※令和8年度試験より、CBT方式(試験会場のPC画面上にて解答)に変更予定。
ご自身の希望する日を選んで受験することができます。
試験地
全国主要都市
受験料
7,500円
合格率
令和7年度春 : 14.7%
令和6年度春 : 15.0%
令和5年度春 : 15.2%
取得のメリット
・業務改善への効果
この資格を取得することで、障害対応の迅速な原因特定や再発防止策の提案が可能となり、日々の運用・保守業務の効率化や改善に貢献できます。現場での課題発見や対応策の立案力が身に付くため、より良い成果を求める方に役立つ資格です。
・キャリアアップ・昇進支援
ITサービスマネージャ試験合格は、運用・保守分野の高度なスキルおよび管理能力の証明となり、チームリーダーや管理職への昇進に有利です。企業によっては昇給や昇進の条件に設定されている場合もあり、高い評価や重要なポジションを任されやすくなります。
・市場価値の向上と資格による優遇
難易度の高い国家試験のため、合格者はIT業界での実力者として証明でき、市場価値が上がりやすいです。また、情報処理技術者試験の一部免除(中小企業診断士、弁理士、技術士、ITコーディネータなど)を受けられるなど資格間のメリットもあります。
・ITIL知識の習得
ITサービスマネージャ試験を通じて、ITサービスマネジメントの国際的ベストプラクティスであるITILに関する基本知識を体系的に学べることも、大きなメリットの一つです。
ステップアップ
・運用・保守チームリーダーへのキャリアアップ
資格取得により、システム運用・保守のチームリーダーとしてのスキルが証明され、リーダー未経験でもチームリーダーに抜擢されやすくなります。障害対応や業務改善の指導、メンバー教育が行えるようになるため、現場の管理職を目指すステップに最適です。
・ITコンサルタントとしての幅広い業務展開
ITサービスマネージャの知識は、クライアントの運用・保守課題の把握と改善提案に生かせます。運用設計や改善施策の立案まで対応できるため、ITコンサルタントを志す人にとって重要な資格となります。
・情報システム部の専門担当者としての評価向上
少人数でのシステム運用・障害対応が求められる企業の情報システム部門では、多様な業務をこなせる能力として評価されます。資格を持つことで安定稼働や効率化に貢献でき、社内でも貴重な人材として認められます。
・さらなる資格取得によるキャリアパス拡大
ITサービスマネージャを取得後は、プロジェクトマネージャ試験やITストラテジスト試験などの高度情報処理技術者試験に挑戦するケースが多いです。これにより、大規模プロジェクトの管理やIT戦略立案の専門性が強化されます。また、ネットワークスペシャリストや情報処理安全確保支援士など専門的な資格取得もキャリアアップに繋がります。
主催者リンク
情報処理推進機構(IPA)
https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/cbt_sg_fe.html
