難易度 | ★★★☆☆ (普通) |
おススメ度 | ★★★☆☆ |
受験資格 | 次のいずれかを満たす者。 ・文部科学大臣の指定した歯科技工士学校を卒業した者(卒業見込みも含む) ・都道府県知事の指定した歯科技工士養成所を卒業した者(卒業見込みも含む) ・歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者 ・外国の歯科技工士学校や養成所を卒業、または外国で歯科技工士免許を取得しており、厚生労働大臣が同等以上の知識・技能を有すると認めた者 |
勉強時間 | 歯科技工士学校での勉強時間による。 |
概要
歯科技工士試験は、歯や口の健康を支える「ものづくりの専門家」になるための試験です。歯科医院で使われる入れ歯や差し歯、矯正装置などを、一人ひとりのお口に合わせて丁寧に作り上げるのが歯科技工士のお仕事。そのためには、歯の形やバランス、噛み合わせの知識に加え、巧みな手先の技術も求められます。
試験では、専門的な医学・歯学の知識や、材料の特性、実際の製作工程に関する理解を確認されます。勉強と練習の積み重ねは必要ですが、合格すれば「人の生活をより快適にするものづくり」に直接関われる、とてもやりがいのある資格です。
歯科技工士試験は、技術職らしい実践的な内容が多く、コツコツ努力するタイプの人に向いています。合格すると国家資格として認められ、歯科医師や歯科衛生士と一緒に「笑顔と健康を作るチーム」の大切な一員になれるのが魅力です。
出題内容と合格基準
試験は、学科と実技の二つから成る。
【学科試験】(四肢択一)
・歯科理工学
・歯の解剖学
・顎口腔機能学
・有床義歯技工学
・歯冠修復技工学
・矯正歯科技工学
・小児歯科技工学
・関係法規
⇒合格ラインは60%。
【実技試験】
・石膏棒彫刻(1本の歯を石膏で彫刻)
・ワイヤー屈曲(矯正器具用ワイヤーの曲げ加工技術)
・歯の外形描記またはデッサン(指定された歯の形状を多角的に描写)
⇒合格ラインは60%。
試験日
2月中旬
試験地
北海道、宮城、東京、大阪、福岡
受験料
30,000円
合格率
令和6年度 : 93.3%
令和5年度 : 95.7%
令和4年度 : 90.7%
取得のメリット
・国家資格であるため、就職先に困らず安定して働けることが挙げられます。開業権もあり独立も可能で、今後も高齢化社会などで歯に関する需要が続くため長期的に安定した職業です。
・歯科技工士は専門的な技術と知識が求められる職業であり、一度身につけた技術は一生ものです。免許の更新は不要で、スキルアップの機会も豊富に用意されているため、長くキャリアを続けられます。
・女性にとっても復職が容易で、子育て中や在宅勤務も可能な環境となりつつあるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができます。海外での活躍の可能性もあり、資格は国際的なアドバンテージとなる場合もあります。
・歯科技工士は患者の健康を支え、やりがいと社会的貢献を感じられる重要な医療職であり、技工物を通じて多くの人の生活の質を向上させる役割があります。
ステップアップ
・技術力の向上
最初は模型作製など基礎技術の反復練習から始まり、実務経験を積みながら精度や能力を高めていきます。多くの場合、一人前になるまでに5〜10年かかると言われています。さらに、CAD/CAMや3Dプリンターといったデジタル技術や新素材の習得も重要で時代に即したスキルが求められます。
・研修・講習会への参加
日本歯科技工士会などが主催する各種研修や講習会に参加することで最新技術や知識を身につけることが可能です。研修費用を補助する職場もあるため積極的に活用するとよいでしょう。
・資格取得・専門分野への進出
認定歯科技工士資格などの専門資格を取得して専門性を高めると、キャリアアップにつながります。また、技術指導者や管理職、コンサルタント、研究者など、多様なキャリアパスもあります。
・独立・開業
経験を積み、技術力やマネジメントスキルを身につけた後に、自分の技工所を開業することも可能です。独立に向けて準備を進めることも一つのステップです。
・海外就職やフリーランス活動
海外の歯科技工所で働く道や、フリーランスとして案件を請け負うことでキャリアの幅を広げる方法もあります。