【国】建築設備士

難易度★★★☆☆
 (普通)
おススメ度★★★☆☆
受験資格次のいずれかに該当する者
・大学(建築・機械・電気系課程)卒業後:実務経験2年以上
・短期大学、高等専門学校、旧専門学校(建築・機械・電気系課程)卒業後:実務経験4年以上
・高等学校、専修学校(建築・機械・電気系課程)卒業後:実務経験6年以上
・一級建築士、1級電気工事施工管理技士、1級管工事施工管理技士、空気調和・衛生工学会設備士(空調・衛生部門)、第1~3種電気主任技術者のいずれかの資格取得者:2年以上の建築設備関連実務経験(資格取得の前後問わず通算)
勉強時間約300時間
目次

概要

建築設備士は、建物の“快適さ”や“安心”をつくるために欠かせない専門家です。建物って、見た目やデザインも大切ですが、中に入ったときに空気がきれいに流れていたり、夏も冬も過ごしやすかったり、照明や給排水がしっかり整っていることが、とても大事ですよね。そうした建物の“中身”の環境づくりを担うのが建築設備士の役割なんです。

この資格を持つと、建物の構造やデザインを考える建築士と一緒に協力しながら、設備の専門家としてアイデアや提案ができるようになります。つまり「住みやすさ」「使いやすさ」「安全さ」を建物にプラスしていくパートナー的な存在です。

設備のことを深く理解しているからこそ、設計の段階から携わり、建物をより快適で使いやすい空間に仕上げていけるのが、この資格の大きな魅力です。建築やまちづくりに興味のある方にとっては、「人々の生活を支える、縁の下の力持ち」になれる資格といえます。

出題内容と合格基準

試験は、一次試験(学科試験)と二次試験(設計製図試験)の2段階に分かれています。

【一次試験(学科試験)】
出題科目:建築一般知識(27問)、建築法規(18問)、建築設備(60問)
出題形式:四肢択一のマークシート方式
総問題数:105問
試験時間:建築一般知識・建築法規が2時間30分、建築設備が3時間30分
内容例:建築計画、構造力学、建築法規、建築設備設計計画・施工など
合格基準:約70点満点中、合格点は年度によって約67~72点の間で変動

【二次試験(設計製図試験)】
内容:建築設備基本計画(11問必須)、建築設備設計製図(5問選択)
受験者は空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備のいずれか1分野を選択し、その分野の設計製図を作成
試験時間:5時間30分
出題形式:記述および製図

試験日

(一次)6月下旬
(二次)8月下旬

試験地

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄

受験料

36,300円

合格率

令和6年 : 21.5%
令和5年 : 19.1%
令和4年 : 16.2%

取得のメリット

・キャリアアップ・昇進のチャンスが広がる
建築設備に関する専門性が証明され、設計事務所や建設会社でプロジェクトマネージャーや技術指導者、管理職などの役職に昇進しやすくなります。また、設備設計や施工管理など専門的な職務に就ける機会が増えます。

・建築士試験の受験資格が緩和される
実務経験がなくても建築士(特に二級・木造・一級建築士)の受験資格が得られるため、建築士を目指す人にとっては大きなメリットです。設備設計一級建築士の受験科目免除や受験資格緩和も受けられます。

・防火対象物点検資格者や建築設備定期検査資格者の受講・受験資格を得られる
建築設備士資格を持ち5年以上実務経験があれば、防火対象物点検資格者講習の受講資格も得られます。建築設備定期検査資格者の試験科目免除もあり、専門分野での幅広い活動が可能です。

・転職や年収アップに有利
建築設備士は専門知識を持つ希少な人材として重宝されるため、転職市場で有利に働き、年収向上が期待できます。主任技術者や専任技術者になりやすく、結果として収入が800万円程度まで上がるケースもあります。

・幅広い建築分野や海外での活躍も視野に入る
住宅、ビル、商業施設、工場など幅広い分野での建築設備の専門性を活かせるほか、海外での需要も増えているため、グローバルに活躍するチャンスも広がります

ステップアップ

・建築士試験へのステップアップ
建築設備士の資格を持つことで通常必要な実務経験なしで二級建築士や木造建築士の受験資格が得られます。さらに、建築設備士としての実務経験4年以上を積むと、一級建築士の受験資格も取得可能です。一級建築士を取得した場合、設備設計一級建築士(上位資格)も目指せます。この資格は人数が少なく非常に専門性が高いです。

・実務経験と専門性の強化
資格取得後は建築設備設計の現場で実務経験を積み、国土交通省の設計基準や最新法改正に対応できるように継続的な学習が必要です。設備設計のプロジェクトリーダーや技術指導者として活躍できるよう、マネジメント能力も磨くことが推奨されます。

・関連資格の取得
電気主任技術者や管工事施工管理技士など、建築設備に関連する資格を取得することでスキルアップが可能です。防火対象物点検資格者講習の受講資格も得られるため、業務範囲を広げることができます。

・独立開業や専門職としての活躍
キャリアを積み重ねて、設計事務所や専門コンサルタントとして独立する道もあります。一級建築士資格の取得を通じて建築全体の設計リーダーとなることも可能で、より大きなプロジェクトを担当できます。

主催者リンク

公益財団法人 建築技術教育普及センター
https://www.jaeic.or.jp/shiken/bmee/index.html

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