難易度 | ★★★★☆ (やや難しい) |
おススメ度 | ★★☆☆☆ |
受験資格 | 1次:試験実施年の3月31日時点で満18歳以上の方 2次:1次試験の全5科目に合格した日本アクチュアリー会準会員 |
勉強時間 | 約1,000時間 |
概要
アクチュアリーは、「未来を数字で描くプロフェッショナル」と言えるような存在です。
保険会社や年金制度、金融商品などでは、人がどのくらい生きるか、病気になる確率はどのくらいか、お金が将来どう増減するかといった“先の見えない出来事”を考えながら仕組みを作る必要があります。そんな場面で活躍するのがアクチュアリーです。
数学や統計の力を使い、リスクを予測して制度やサービスを安心・安全に設計し、社会や暮らしを支えるとても大切な役割を担っています。
難関資格として知られていますが、その分身につけた知識やスキルは一生もの。数字が好きで、論理的に考えるのが得意な人にはぴったりのチャレンジです。
「人々の安心を未来まで届ける、数字の専門家」――それがアクチュアリーの魅力です。
出題内容と合格基準
【1次】(多肢選択式)
・数学:確率、確率変数、分布、期待値、分散などの基礎理論
・生保数理:生命保険数理の基礎と応用
・損保数理:損害保険数理の基礎と応用
・年金数理:年金数理・年金財政の基本原理、計算基礎率、人口モデル、損益分析など
・会計・経済・投資理論:財務会計の基本、利益計算、資産評価、財務諸表の構成など
⇒合格ラインは、各科目60%。
【2次】(論述式)
下記コースから1コースを選択
・生保コース
①生保1:生保商品の実務
②生保2:生保会計・決算
・損保コース
①損保1:損保商品の実務
②損保2:損保会計・決算・資産運用
・年金コース
①年金1:公的年金制度および各種退職給付制度の設計・税務
②年金2:公的年金制度および企業年金制度の財政ならびに退職給付会計
⇒合格ラインは、各科目60%。
試験日
12月上旬~中旬
試験地
全国各地
受験料
8,500円(1科目につき)
合格率
<1次試験>
数学 | 生保数理 | 損保数理 | 年金数理 | 会計・経済 ・投資理論 | |
令和6年度 | 29.7% | 46.2% | 17.3% | 67.1% | 18.9% |
令和5年度 | 20.1% | 35.6% | 44.5% | 15.3% | 24.5% |
令和4年度 | 14.1% | 19.7% | 21.5% | 33.3% | 32.8% |
<2次試験>
生保1 | 生保2 | 損保1 | 損保2 | 年金1 | 年金2 | |
令和6年度 | 26.3% | 20.7% | 15.4% | 24.5% | 19.7% | 14.3% |
令和5年度 | 18.5% | 13.3% | 10.4% | 22.4% | 20.6% | 23.1% |
令和4年度 | 14.4% | 15.8% | 15.3% | 10.5% | 6.9% | 17.4% |
取得のメリット
・専門性と高い市場価値
アクチュアリー資格は非常に難関で専門性が高く、資格取得により「一定水準の人材」として認知されます。資格はまさに専門家としてのパスポートのように評価され、国内外で高い信用と期待を得られます。
・高収入と安定した職業
保険業界や金融業界で必要とされるため、市場価値が高く、平均年収は900万円を超え、20代でも1000万円以上の収入を得ることが可能です。実務経験とともにキャリアを積めば、1500万円以上の報酬も期待できます。
・キャリアの自由度と転職のしやすさ
資格保有者は転職市場で優遇され、多様な業界や企業でのキャリア形成が可能。自分の希望に合わせて勤務先や働き方を選択しやすくなり、精神的な安定も得られます。
・仕事のやりがいと社会貢献
アクチュアリーは高度な数理分析に基づき保険商品や年金制度の設計など社会の基盤づくりに貢献。自分の仕事が広く社会や顧客の役に立っているという実感が得られ、やりがいを感じられます。
・国際的な活躍の機会
国際資格としての側面もあり、海外の子会社や国際舞台での信頼性が高く、グローバルに活躍できる可能性があります。
ステップアップ
・正会員資格取得と専門性の深化
アクチュアリー試験の全科目合格により日本アクチュアリー会の正会員となることが重要な第一歩です。正会員になると、より高度な専門業務を担当し、業界での信頼と責任が増します。さらに、CERA資格(国際リスクマネジメント資格)を取得する人も増えています。
・キャリアパスの多様化
資格取得後は専門性を極めるエキスパートとしての道、管理職として組織を率いる道、独立してコンサルタントとして活躍する道など複数のキャリア展開が可能です。管理職になるとチームマネジメントや他部署との調整を担います。また、規制当局や教育者としてのキャリアもあります。
・スキルアップと実務経験の積み重ね
実務経験とコミュニケーション能力の向上が求められます。経営層への提案や多様な関係者との折衝など、高度なコミュニケーション力を磨くこともステップアップに必須です。
・転職と年収アップ
資格と実務経験を活かして転職することで職務の幅が広がり、年収アップも期待できます。特に正会員資格保有者は転職市場で価値が高まります。
・独立・起業の可能性
ある程度のキャリアを積んだ後、独立して専門知識を活かしたコンサルティング事業を始めることも選択肢の一つです。ただし、営業力や経営力も求められます。
主催者リンク
公益社団法人 日本アクチュアリー会
https://www.actuaries.jp/